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観光客誘致に必要なモノ・コトとは何か。

advancesince2014

広島県尾道市は山形市より10万人も人口が少なく、観光客減少と人口減少の崖っぷちに立たされた地方都市の一つというのは以前のブログで書きました。

新尾道駅という新幹線駅もありますが、中心部の在来線尾道駅とは4㌔も離れており、しかものぞみやひかりは止まらないため、観光客は在来線の尾道駅を利用する人がほとんどではないかと思います。実際に新尾道駅から新幹線に乗りましたが、休日なのに1両に5〜10人程度の乗客でスカスカでした。そこでこんな疑問が浮かびました。


『街の発展に、新幹線って本当に必要なのか?』


山陽新幹線でのぞみが止まる福山駅で降りて在来線に乗り換えて尾道市へ入る観光客と、同じくバス便かタクシーで向かうしかない交通不便な山形県尾花沢市の銀山温泉は観光客で賑わっている。どちらも交通不便だからと観光先候補から外されてはいない。交通の不便さが魅力を上回っているのか、それとも新幹線によるの高速移動など望まれてすらいないのか。もしくはその両方かもしれません。話は逸れますが、東京ー山形間が2時間切って喜ぶのは行き来しやすくなる国会議員だけではないかと思います。今以上に若者が都心に流出し、便利になれば観光客の宿泊率も減るのではないかと思います。余談ですが。


ちなみに、人口138,000人の尾道市への観光客数は658万人(2023年度)、一方で人口240,000人の山形市の観光客数は225万人(2022年度)。

比較年度にズレはあるものの、その差は歴然です。そろそろ前回のブログの答えを言います。


尾道市は駅前の高層マンション建設地を買い取り、マンション建設を阻止しました。美しい景観を守るためです。そして建設予定地は憩いのスペースに整備しました。寛げる芝生やベンチも置いてあり、実際に利用している人が何組もいました。

駅前には大型のレンタサイクル(しかも本格的なGIANT仕様)やスタイリッシュなレンタスクーターもあります。大型倉庫を改修したonomichi U2も必見ですし、そこかしこのベンチでテイクアウトした朝食を食べている人が何人もいました。山形市でよく見られるような全国区の100均、ドラッグストア、大型家具屋、ナチュラル雑貨屋、大型スーパーなどは見当たりませんでした(探せなかっただけかもしれませんが)。

取り組みがすごいのは尾道市だけではありません。市民も動き出します。


観光客の1割も宿泊しないという尾道市に危機感を覚えた1人の女性が、空き家を利用したゲストハウスを立ち上げ、苦労の末に軌道に乗せます。

しかしながら、1人でやっても空き家再生も観光客誘致も広がらないと感じ始め、そこで “再生に興味を持って相談に来た100人の方に空き家を1戸ずつ手にしてもらえば100戸は動かせる” と積極的にバックアップを始め100戸の利活用に繋げたというのです。コレは凄いことです。

具体的には、空き家を利用して尾道に移住する人へ、DIYのやり方講習、資材搬入の軽トラ貸し出し、その他困りごとなどへのアドバイスなどです。

官民がやれる事を見誤らずにやればここまで結果を出せる。と言うか現に結果を出した。これは同問題で苦しむ山形市にとって非常に参考になります。


そんな中、山形市は山形駅前に日本一の大型観光案内所を新築するみたいです。さて、観光客は大型観光案内所など利用するのでしょうか。山形駅で降りる前に、もっと言えば観光に行く前にネットやSNSで調べてから来るのではないかと思います。山形駅に降り着いてから「さぁどこへ行こうか」などと言う観光客はまずいません。それゆえ大型観光案内所が有効な使われ方をすることはないと思います。霞城セントラルや山形テルサと同じ箱モノ行政を山形は何度繰り返せば理解するのでしょうか。結果は明らかで、無用の長物に無駄な税金が何十年と投入され、維持費も建築費の数倍かかり、誰も責任を取らない箱モノが残るだけのように思います。山形の良さを活かす方向に進んでもらいたいです。


山形の売りは何なのか?それは自然か風土か街並みか、郷土料理かフルーツか、それとも山寺か蔵王か温泉かプロスポーツか、もしくはそれらに勝るとも劣らない未だ隠れた資源があるかもしれません。市街化調整区域に新たに建築許可を出す前に、今ある資源を見直す機会を設けてみることが必要な気がします。

当社も微力ながらも今ある資源の利活用に取り組んで行こうと改めて思う機会になりました。

ご期待ください^ ^

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